前に、簡単にマニュアルをググる方法を紹介しました。
公式マニュアルだと言葉が難しくて、初心者には辛いかもしれません。ググっただけで良い情報が出てくればよいのですが、分かりにくかったり、合っているか判断がつかなかったり、見きわめるのに知識が必要になります。
そこで、わかりやすくて信頼できる情報の探し方を説明します。Oracleデータベースに関して、新人データベースエンジニアや、データベースが専門でないエンジニア向けに、おすすめの解説ページをご紹介します。
私もよく見ているサイトです。
ある程度知っていることなら、いきなりマニュアルでも大丈夫ですが、
よく知らない機能のときは、易しめの解説から入ったりします。
Oracleはシェアが高く歴史も長いこともあって、Web上にたくさんの情報があります。一方で詳しくないと、目的の情報までたどり着くのが大変です。
以下で紹介するページは、信頼度が高く、わかりやすいと思います。Oracle社、サポート会社、個人サイトのページから合計11個紹介します。
更新履歴
2022/7/23 日下部さんのページを追加
Photo by KOBU Agency on Unsplash
Oracle社
本家、Oracle社も技術解説を出しています。また、セミナーや営業用のスライドなどもあったりします。
Googleで検索するときは、キーワードに「site:oracle.com」を付ければ、Oracleのサイト内を検索できます。
発売元のOracle社の情報ですので、信頼度は高いです。ただし、情報が古くなっていることもあるので、注意が必要です。
Oracle技術ブログ
しばちょう先生の試して納得!DBAへの道
Oracleの名物講師、「しばちょう」こと柴田長さんの連載記事です。
「新人をDBAに育てる際に使用する課題をカスタマイズ」したとのことで、読者の「レベルとしては初級~中級、たまに上級」(Webサイトより)が想定されてます。
実際に手を動かして理解できる形になっています。私もORACLE MASTER Goldの学習に使わせていただきました。
津島博士のパフォーマンス講座
こちらもOracleの有名人の方です。Oracleのパフォーマンスに関して、日本で右に出るものはいない専門家です。
パフォーマンスについての解説記事が豊富です。
アプリ開発をしていると、パフォーマンスの問題はついて回ります。そんなときに参考になるかもしれません。
基本からわかる!高性能×高可用性データベースシステムの作り方
「基本からわかる!高性能×高可用性データベースシステムの作り方」
Oracle技術ブログの最後は、日下部さんのページです。
簡単に言うと、高可用性のデータベースというのは、めったなことでは止まらないデータベースのことです。
Oracleには、RAC(ラック)/GI(Grid Infrastraucture)やData Guard(データガード)といった高可用性を実現するための技術があります。それらの解説なら日下部さんの記事がおすすめです。
Oracle主催セミナー
Oracle Database Technology Night ~集え!オラクルの力(チカラ)~
「Oracle Database Technology Night ~集え!オラクルの力(チカラ)~」
Oracleが月に約1回で開催している、Oracle技術者向けの無料セミナーのページです。
基本からマニアックなものまで、過去の技術解説がそろっています。
「Night」と言う通り、夕方、仕事が終わった時間(18:45~)にセミナーが開催されています。最近はコロナ禍の影響でZoomでの開催になりました。
移動時間がかからなくなったので、さらに参加しやすくなりましたね。また、地方在住の方も参加可能になりました。
資料は上記リンクのほか、最近のものはSpeaker Deck(後述)で公開されています。
スライドのほかにもYouTube動画(Japan Oracle Develoers)もあります。
セミナーには、IT勉強会支援プラットフォームのconnpassから申し込み可能です。申し込みにOracle アカウントが必要になります。(無料でも作成できます)
oracle4engineer
スライド共有サービスのSpeaker Deckに、Oracleのセミナー資料が公開されています。
先ほどのOracle Technology Nightの、最近の資料もこちらで公開されています。
ホワイトペーパー
Oracleが出しているホワイトペーパーです。
ホワイトペーパーは、顧客の課題解決のための参考情報を提供し、併せてその解決に自社ソリューションが貢献することを述べた報告書です。
(「ホワイトペーパーとは?書き方は?ホワイトペーパーについてよくある10の疑問」ferret Oneより)
この技術を使って、あなたの課題を解決できますよ、という文書ですね。
対象読者は、「 IT マネージャー、データベース管理者および技術スタッフ 」(「Oracle (Active) Data Guard 19c リアルタイム・データ保護と可用性」Oracleホワイト・ペーパーより)とあります。対象にITマネージャも含まれるため、概要レベルから説明されていて取りつきやすいです。
たとえば、Oracleの高可用性技術のRACやData Guardだと、以下のホワイトペーパーがあります。(Oracle社のPDFへのリンクになっています)
「Oracle Database 19cでのOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)」Oracleホワイト・ペーパー / 2019年2月
「Oracle (Active) Data Guard 19c リアルタイム・データ保護と可用性」Oracleホワイト・ペーパー / 2019年3月7日
新人のうちや、DBは専門外という方には少し難しいかもしれません。
ただ慣れてくると、情報がコンパクトにまとまっているのでお勧めです。
探すときは、検索キーワードに「ホワイトペーパー site:oracle.com」と追加すると見つかります。
その他 技術解説スライド
ほかにも、「site:oracle.com」でOracleのサイト内を検索すると、技術解説のスライドが見つかったりします。これらもOracle社の出している情報なので、比較的信頼できます。ただ、説明のために詳細を省いていたり、情報が古くなっていたりすることもあるので注意が必要です。
サポート会社
企業でデータベースを利用するときは、多くの場合、サポート会社と契約を結びます。システムを導入するときや、運用中に障害が起きたときなど、問題を解決するには高い技術力が必要です。
サポート会社の記事は、その技術力を示すために高度なものも多いです。そしてサポート会社のお客様向けでもあるため、分かりやすく書かれています。また、記事の正確性も高いです。
会社の看板になりますから、いい加減な記事は書けません。きっと内容も厳しくチェックされてるに違いありません。
アシスト現場ブログ
「アシスト現場ブログ ~Database & Cloud~」
サポートの老舗、アシスト社の技術ブログです。日本で最初にOracle製品を販売した会社でもあります。
アシスト社は技術セミナーなど、教育にも力を入れられていますね。
アシスト社主催のセミナーの話はよく聞きます。
NTTデータ 先端技術株式会社 コラム Oracleサポート通信
NTTデータ 先端技術株式会社は、日本を代表する巨大IT企業NTTの子会社NTTデータの子会社です。
体系的にIT技術全般についてのコラムを発信しています。その中でもOracleについては、以下だそうです。
みなさまにぜひ知ってほしいOracle製品に関する最新情報やサポートでのノウハウについて、サポートエンジニアにより不定期に紹介していきます。
(「Oracleサポート通信」より)
その技術力の高さには、読んでいて、同じOracle技術者として舌を巻きます。
コーソルDatabaseエンジニアのブログ
コーソルは、Oracleを中心としたサポート、コンサルティングなどを行っている会社です。
コーソルの渡部さんと守田さんが発信しています。渡部さんというと、日本に数人しかいないOracle ACEの一人でORACLE MASTERの資格本の黒本の著者です。内容は高度なものが多い印象ですが、説明は分かりやすいです。
なお、2022年2月現在、コーソルではOracle Databaseのエンジニアを絶賛募集中とのこと。未経験者向けの求人も出ているようなので、データベースエンジニアを目指したい方にはチャンスです!
未経験者向けに、データベースエンジニアの目指し方をまとめたので、よかったら読んでみてください。
データベースひとりでできるもん
株式会社システムサポート(略称STS)のページです。
ハンズオン系の記事が豊富です。実際に手を動かしてやってみる解説ですね。
コマンドと実行結果が載せてあるので、わかりやすいです。同じように、自分で実際に試してみることでも勉強になります。
ORACLE MASTER Goldの勉強中に見つけました。
こちらのインタビュー記事「ORACLE MASTER Gold DBA 2019を取得しました!」の人は、新卒2年目でGoldを取得されたそうです。すごいですね!
個人サイト
個人で運営されているサイトです。Oracleに関する知見を発信されています。
私も昔からお世話になっているサイトです。
SHIFT the Oracle
データベースエンジニアになる前、アプリ開発をしていたときからお世話になっていたサイトです。
「Oracle(R) 非公式 SQL, PL/SQL & DBA’s リファレンス」と銘打っていて、開発時のリファレンスとしても参考になります。DBの専門家でなくても、説明がわかりやすいです。
ただ、最近更新が少ないので、新しいバージョンには対応してなかったりします。
WALKINGALONE
DB初心者のころ、よく見てました。
インストールやデータベース作成から、各種機能の解説まで幅広く扱っています。Oracle関連の目次は以下のようになっています。
- Oracle入門
- 管理者向け
- RAC
- ASM
- DataGuard
- チューニング
- エラー
- バックアップリカバリ
- ユーティリティ
- ミドルウェア
- 12c新機能
- tips
- スクリプト集
- ダウンロード
(Webサイト目次より)
他にも最新バージョンの21cマニュアルへのリンク集があったりと、2022年現在も更新が続いています。
その他(おまけ)
「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典
「「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典」
Oracleというわけではないのですが、IT技術全般について、図解やたとえ話を使って、用語を分かりやすく解説しています。知らない言葉で全然イメージがつかないときにお勧めです。
実は、途中の用語についても、リンクを張らせてもらいました。
補足・注意点
最後に、捕捉と注意点です。
一次情報にあたる
マニュアルやサポート技術情報などの公式情報にあたるようにしましょう。
マニュアルについては、簡単な調べ方を前にご説明しました。
サポート技術情報は、サポート契約を結んでいる会社向けにOracle社が提供している情報です。こちらも、Googleで「site:support.oracle.com」を検索キーワードに追加すると検索できます。もちろんサポート契約がないと見られません。ただし、タイトルと各文書の冒頭だけなら、一般にも公開されています。
これらの情報を調べて難しいと感じたら、上記の解説から入るとよいでしょう。信頼できそうなページを知っておけば、調べるときに楽になります。そして可能なら、公式のマニュアルやサポート技術情報で裏を取りましょう。
体系的に学ぶには
もし、今回紹介したページでも難しいと感じたら、本で体系的に基礎から学ぶことをお勧めします。
さきほどご紹介したOracle ACEのコーソル渡部氏執筆の「Oracle Master Bronze DBA 2019」対応の黒本がお勧めです。初心者にもわかりやすいと評判です。もし資格試験を受けるつもりがなくても、基礎を幅広く学ぶのにもよいと思います。
[PR]<『オラクルマスター教科書 Bronze DBA Oracle Database Fundamentals』をAmazonで探す>基礎を理解すると上記の解説記事も読めるようになるでしょう。
まとめ
上記でご紹介したページは、信頼度も高く、わかりやすいと思います。検索結果に出てきたら、ぜひクリックしてみてください。
また、検索キーワードにサイト名などを入れて、そのサイトで扱っていないか調べるのもよいでしょう。
みなさんのOracleに関する調べ物が楽になりますように。
お薦めした本(PR):
[PR]<『オラクルマスター教科書 Bronze DBA Oracle Database Fundamentals』をAmazonで探す>
コメント