こんにちは!
ITエンジニアのYukiです。
今回、285日目です。
ついにPostgreSQL資格のOSS-DB Gold (Ver.2.0)を取得できました!
これまで見守っていただいたみなさま、お祝いいただいたみなさま、ありがとうございます。
当初、100日でPostgreSQLをマスターすることを目指していましたが、約9カ月でここまで来ることができました。
今回は合格体験記として、これまで学習方法などをまとめます。
開始時に書いた記事「(1日目)100日でPostgreSQLの資格取得を目指す」や「(47日目)OSS-DB Goldの勉強方法」と重なる部分もあるかもしれません。
使用した書籍は当初の予定通りでした。
今回は、実際に学習してみて、各書籍の感想や、それ以外の参考になったものをご紹介します。
Photo by atwena Goodman on Unsplash
OSS-DB Gold取得のきっかけ
私、Yukiは、企業のDB専門チームでDBエンジニアの一人として、5,6年働いています。
主な業務は、DBの設計支援や障害対応などです。
PostgreSQLやOracleのエキスパートの方に混ざって仕事させてもらってます。
Oracleはある程度の経験(Oracle Master Gold DBA 2019を所持)がある一方で、PostgreSQLは初心者でした。
しかし昨今のPostgreSQL技術者の需要の高まりを見て、仕事の幅を広げたいとPostgreSQLの学習を始めました。
私は資格取得には、以下のメリットがあると思っています。
- 必要な知識を広くまんべんなく学習できる
- 明確な目標となる
- 得た知識の証明になる
特に1と2は、初心者から学習するのに効果的だと思っています。
そこで、OSS-DB Goldの取得を目標としました。
1か月少しでOSS-DB Silverを取得した後、続いてGoldの取得を目指してきました。
試験結果
得点は、80%くらいでした。
合格ラインが70%ですので、一応合格です。
運用管理、性能監視、パフォーマンスチューニング、障害対応と4つの分類から出題されますが、苦手な分野は特にありませんでした。
回答を提出したときは、もう少し取れたと思ったのですが、残念です。
学習方法
以下の方法で勉強しました。
- 市販の書籍
- Webの情報
- 無料のセミナー
- 実機での操作
市販の書籍
学習に使った書籍は以下の2冊です。
「内部構造から学ぶPostgreSQL 設計・運用計画の鉄則 」
まずは、こちらの本で勉強しました。
「内部構造から学ぶPostgreSQL 設計・運用計画の鉄則 」(Software Design plus)
[PR]<『[改訂3版]内部構造から学ぶPostgreSQL―設計・運用計画の鉄則』をAmazonで探す>PostgreSQLの操作方法は知っているが、内部構造については詳しくないという状態で読み始めました。
内部構造の理解ができ、設計の勘所をつかむことができました。
要点がコンパクトにまとまっています。
「LPI-Japan OSS-DB Gold 認定教材 PostgreSQL 高度技術者育成テキスト」
次に公式の認定教材で学びました。
「LPI-Japan OSS-DB Gold 認定教材 PostgreSQL 高度技術者育成テキスト」(NTTソフトウェア株式会社)
[PR]<『LPI-Japan OSS-DB Gold 認定教材 PostgreSQL 高度技術者育成テキスト』をAmazonで探す>この本の長所は、出題範囲のポイント解説が網羅的にあることと、80問と豊富な模擬問題が載っているところです。
模擬問題は、3周ほど解きました。
受験直前の復習にも使えて、大変役に立ちました。
一方で、短所は、前バージョンのOSS-DB Gold Ver.1.0対応の本のため、内容が古くなっていることです。
PostgreSQL 9.4までに対応で、OSS-DB Gold Ver. 2.0の対象バージョンであるPostgreSQL 11では変わっている箇所があるので、注意が必要です。
OSS-DB Gold Ver. 1.0から2.0の差分については、OSS-DBの公式サイトに情報が載っています。
詳細は別記事にまとめましたので、ご参考にしてください。
「(193日目)OSS-DB Gold Ver.1.0から2.0の変更点と対策」
思い返すと、差分についていろいろと調べたのも勉強になりました。
特に、チェックポイントやトランザクションID周回問題についてです。
マニュアル(PostgreSQL文書)を読み込みました。
以下の記事にまとめましたので、よかったらご覧ください。
Webの情報
OSS-DB Gold向けにまとまっている情報としては、LPI-JAPANの公式サイトが一番良かったです。
他に、PGEConsがOracle技術者向けに出している「PostgreSQL自習書」が役に立ちました。
LPI-JAPAN OSS-DB (公式のページ)
公式サイトが非常に参考になりました。
特筆すべきは、下記の資料です。
- 試験概要 > Ver. 1.0とVer. 2.0の比較 (PDF)
- 受験対策 > OSS-DB道場 > PostgreSQLの新機能 -バージョン10以降-
- 受験対策 >サンプル問題/例題解説
先述した認定教材 の「PostgreSQL 高度技術者育成テキスト」(以下、育成テキストと略します)はVer. 1.0対応のため、これらの資料はそれ以降の差分を学習するのに大変役に立ちました。
特にサンプル問題は、変わった箇所に気づくのに役立ちました。
育成テキストで勉強した後で自信をもって答えたら、デフォルト動作が変わっているというのがいくつかありました。
こういう問題で間違えると悔しいので、よく覚えている気がします。
また、分量も約50問と多いので、問題演習にも使えました。
「PostgreSQL自習書」
PostgreSQLエンタープライズ・コンソーシアム(PGECons)が出している「PostgreSQL自習書」を読みました。
Oracle技術者向けに54ページとコンパクトにまとまっています。
Oracleの知識があれば、まずはこれをやるのが効率的です。
Goldの勉強としては、最初にこの自習書を読みました。
無料のセミナー
無料セミナーやセミナーの公開資料も勉強になりました。
エキスパートの人に解説してもらえるのは、ありがたいことです。
OSS-DB Gold受験者 おすすめセミナー6選
具体的には、「(273日目)OSS-DB Gold受験直前の総復習とおすすめセミナー資料6選」の記事でGold受験者の方におすすめした、以下のセミナーです。
- 「OSS-DB Exam Gold Ver.2.0 技術解説無料セミナー」山田 努 (SRA OSS. Inc.)(PDF)
- 「PostgreSQL 入門 :アーキテクチャ編」澤田 雅彦(EDB)
- 「PostgreSQL 入門:クエリ処理編」澤田 雅彦(EDB)
- 「Vacuum徹底解説」澤田 雅彦 (EDB)
- 「PostgreSQLのロックマネージャをアンロックする 〜前編/後編〜」鈴木 幸市(EDB)
- 「PostgreSQLバックアップ実践とバックアップ管理ツールの紹介」黒田 佳祐 (NTT OSSセンタ) (PDF)
※上記のうち、PostgreSQLカンファレンスは有償のイベントですが、資料がサイトで公開されています。
PostgreSQLアンカンファレンス
他には、PostgreSQLアンカンファレンスに何度か参加させてもらいました。
1~2カ月に1回、PostgreSQL技術者の方が集い発表が行われる会です。
気軽に参加できます。
最先端の話題が多いので、OSS-DB Goldの受験にすぐに役立つという感じではないですが、興味深いものが多かったです。
資格試験の勉強に疲れたら、気分転換によいかもしれません。
実機操作
本で学習するだけで、ペーパーで資格を取ってもつまりません。
実機で試してみてこそ、理解が深まります。
仕事でも多少PostgreSQLを触っていますが、自習用に自宅に環境を作って触ってみました。
環境構築についての詳細は、「(4日目) 実行環境を用意する」の記事をご覧ください。
以下のことは実機で試してみました。
- ソースからのインストール
- DBクラスタ・DB作成
- ストリーミングレプリケーション構築
- PITR
- マイナーバージョンアップ
- クエリの実行計画の分析
そのほか仕事でいろいろと触りました。
次のことは試してみようと思ったのですが、試験準備中にはできませんでした。
- pg_resetwalコマンドを使った復旧
- pgbenchでいろいろ負荷をかけながら統計情報ビューを観察
- 論理レプリケーションの構築
試験勉強は終わりましたが、この後いろいろ試してみたいと思います。
学習期間
Silver取得後、2カ月でのGold取得を計画していました。
実際は、2回の中断をはさみながら、約8か月でGold取得できました。
中断期間を除くと学習期間は6か月くらいでした。
集中して学習していた時期と、あまりしていない時期があったので、ずっと集中できていたら、もう少し短い期間で準備できたかもしれません。
1日の学習時間は、平日で15分~1時間くらい。
休日で1~4時間くらいです。
当初Ver. 1.0から2.0の差分の学習が計画に入っていなかったため、後で追加しました。
というのも、例題をやってみて、差分の学習が足りていないことに気が付いたためです。
勉強方法が定まらなかったために、時間がかかってしまいました。
さらにどこまで勉強すればよいか、ゴールが見えなくなってしまいました。
しかし、ちょうどリテイクフリーキャンペーン(※2022/9/15で終了)に助けられました。
まずは1回受けてみるという選択ができたからです。
締め切りが決まったことで、ラストスパートできました。
同じ方法で準備される方は、育成テキストの模擬問題が終わったら、1か月後くらいに受験予約してしまうとよいかもしれません。
Ver. 2.0の差分の学習はきりがなくて明確なゴールを決めにくいので、締め切りの方を先に決めてしまうのがよいと思います。
ちなみに、スケジュールに記載した各項目は下記のとおりです。
- 自習書・・・「PostgreSQL自習書」(PGECons)
- 鉄則本・・・「内部構造から学ぶPostgreSQL 設計・運用計画の鉄則 」(Software Design plus)
- 育成テキスト・・・「LPI-Japan OSS-DB Gold 認定教材 PostgreSQL 高度技術者育成テキスト」(NTTソフトウェア株式会社)
- 模擬問題・・・上記、育成テキスト巻末の模擬問題
- 例題・・・OSS-DB > 受験対策の「サンプル問題/例題解説」(LPI-JAPAN)
- Ver. 2.0差分・・・OSS-DB > 試験概要の「Ver. 1.0とVer. 2.0の比較」(LPI-JAPAN)を参考に差分を学習
振り返り
OSS-DB Gold受験を振り返ります。
1日目の記事で引用したLPI-Japanのサイトに記載された受験のメリットをもう一度引用します。
RDBMSとSQLに関する知識を有する。
- オープンソースデータベースに関する深い知識を有する。
- オープンソースを利用して大規模なデータベースの運用管理ができる。
- オープンソースを利用して大規模なデータベースの開発を行う事ができる。
- PostgreSQLなどのOSS-DBの内部構造を熟知している。
- PostgreSQLなどのOSS-DBの利用方法やデータベースの状態を検証してパフォーマンスチューニングをすることができる。
PostgreSQLなどのOSS-DBの利用方法やデータベースの状態を検証してトラブルシューティングをすることができる。
OSS-DB Gold > 試験概要 > OSS-DB Goldについて
始めたときには高い目標と感じましたが、
確かにできるようになっていると感じます。
ただ、PostgreSQL「なにもわからない」というのが、素直な感想です。
知れば知るほど、わからないことが出てきます。
PostgreSQL「ちょっとできる」と言えるように、これからも励みたいです。
また、OSS-DB の学習をきっかけにブログを始めましたが、記事にまとめるのはなかなか勉強になりました。
これからも、PostgreSQLやOracleなどで、学習したことをまとめていきたいと思います。
実機操作についても、試験準備でやり残したことがあるので、試したいと思っています。
2回中断がありましたが、資格取得までやりとげられてよかったです。
資格取得を応援してくれた家族、職場の仲間や、読者の皆さんのおかげです。
ありがとうございました。
まとめ
PostgreSQLの勉強を始めてからだと、約9カ月で目標のOSS-DB Gold資格が取得できました。
OSS-DB Goldの学習には、主に市販の書籍とWebの情報を参考にしました。
学習は、以下の順にやりました。
- 自習書・・・「PostgreSQL自習書」(PGECons)
- 鉄則本・・・「内部構造から学ぶPostgreSQL 設計・運用計画の鉄則 」(Software Design plus)
- 育成テキスト・・・「LPI-Japan OSS-DB Gold 認定教材 PostgreSQL 高度技術者育成テキスト」(NTTソフトウェア株式会社)
- 模擬問題・・・上記、育成テキスト巻末の模擬問題
- 例題・・・OSS-DB > 受験対策の「サンプル問題/例題解説」(LPI-JAPAN)
- Ver. 2.0差分・・・OSS-DB > 試験概要の「Ver. 1.0とVer. 2.0の比較」(LPI-JAPAN)を参考に差分を学習
無料セミナーも活用させてもらいました。
よいセミナーがあれば、積極的に参加したいですね。
もちろん座学だけでなく、実際にPostgreSQLに触ることがなにより大事です。
最後は、リテイクフリーキャンペーンで、まずは1回受けてみたら、合格できました。
資格は取得できましたが、まだ入口に立ったばかりです。
これからも学習しながら、仕事に生かしていきたいと思います。
ブログも更新していきますので、よろしくお願いします。
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