ITエンジニアのYukiです。
2023年2月、PostgreSQL資格試験のOSS-DBに新バージョンの3.0がリリースされました。
従来のVer.2.0も6か月、つまり2023年7月までは受験可能とのことです。
どちらを受験すべきか考えてみました。
8月以降はVer. 3.0の方を受験する必要があります。
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更新履歴
- 2023/7/31 OSS-DB Ver. 2.0 終了について追記
- 2023/7/16 OSS-DB Silver Ver.3.0の認定教材について更新
- 2023/2/18 OSS-DB Gold Ver.3.0の認定教材について追記
Ver.2.0が受験可能な間は、2.0を受験すべき
両方のバージョンが受験できる今、従来のVer.2.0と新しいVer.3.0のどちらを受験するか迷うところです。どちらを受験するのが良いでしょうか?
結論から言うと、SilverもGoldも、Ver.2.0が受験可能な間は、古いVer.2.0を受験したほうが良いと考えます。
一つ目の理由は、従来のバージョンの方が試験対策が出そろっているため、準備しやすいことです。
そして、二つ目の理由は、古いバージョンの資格でも、取得後の評価はあまり変わらないことです。
資格取得の意味は、必要な知識を効率的に身に着けられることと、それを身に着けたという客観的な評価が得られることだと思います。
そのどちらもVer.2.0の方が優れている、またはそれほど変わらないということなら、Ver.2.0で受験するのがよいと考えます。
以下、詳細を述べます。
Ver.2.0で受験すべき4つの理由
試験対策が容易
SilverもGoldも、従来のVer.2.0は試験対策が出そろっているので、勉強方法にはそれほど苦労しないと思います。
特にSilverは、問題集サイトのPing-tで演習をこなせば、多くの人にとって合格は難しくないでしょう。Oracle Masterを持っていたり、すでにDBに関わっているITエンジニアのかたであれば、1、2か月で準備可能と思います。
Goldについても、Oracleなど他のDBに詳しいひとでSilver取得済みなら、半年あれば間に合うと思います。実際私の場合は、2か月の計画に対して8カ月かかってしまいましたが、さぼってた時期があるので、半年くらいでも十分可能と思います。
よろしければ、私の受験体験記「100日でPostgreSQLをマスター(OSS-DB Silver/Gold受験日記)」もご参考にしてください。
効率的に学習できる
従来のVer.2.0は、受験対策がすでにあるため、効率的に学習できます。
資格取得のメリットの一つは、必要最低限の知識を効率的に取得できることだと思います。
Silverなら認定教材の緑の本とPing-t。Goldなら定評のある本で学習するというように、効率的な勉強方法があります。
一方、Ver.3.0を受験しようと思っても、認定教材やPint-tも対応していません(2023年2月15日現在)。手探りで勉強するか、認定教材などが出るのを待たないといけません。
すでに資格取得を考えているなら、待っている時間が持ったないです。
古いバージョンでも資格の価値はあまり変わらない
古いバージョンだと資格としての価値が低くなるのではないかと心配になるかもしれません。
実感としては、古いバージョンでも価値はあまり変わらないと思っています。と言うのも、資格取得後の実務経験の方が大事だからです。
たとえば、昔、さらに古いOSS-DB Gold Ver.1.0を取得していたとして、その後、PostgreSQLの実務経験を積まれている方がいたら、Goldを持っている人という評価になると思います。
前のバージョンということでそれほど気にする必要はないと思います。
受験が間に合わなかった場合もリカバリ可能
受験可能な期間が、残り半年ないということで、間に合わなくなるリスクが気になるかもしれません。それについても、それほど気にする必要はないと思います。
準備が間に合わなかった場合は、さらにVer.3.0の範囲を学習してから、Ver.3.0の方を受験すればよいからです。
Ver.2.0とVer.3.0では全く別のことをするというわけではありません。どちらもPostgreSQLの試験です。間に合わなければ、Ver.3.0の分を追加で学習するだけです。
古いバージョンに関する知識が無駄になるような気もしますが、もしかしたら、古いバージョンを触る日が来るかもしれません。それに、機能がアップグレードされた様子を知っているのも面白いかもしれません。
Ver.3.0での試験範囲の変更点
Ver.2.0で受験するとしても、Ver.3.0でどのように変わるのかは、押さえておきたいかもしれません。簡単に変更点をまとめました。
対象バージョンのアップデート
Silver、Goldともに、Ver.3.0では対象バージョンが上がりました。PostgreSQL12~14を対象としたものになっています。
一方Ver.2.0は、PostgreSQL 11までを対象としていました。
ちなみに、PostgreSQLの最新バージョンは、2022年11月にリリースされたPostgreSQL 15です。PostgreSQLは、毎年リリースされているので、PostgreSQL 11は約4年前のバージョンになります。
広範囲化
SilverもGoldも試験範囲が広くなっています。一部、削除された項目もありますが、学習が必要なことは増えている気がします。試験としてはVer.3.0の方が難しくなるかもしれません。
詳細は、比較資料がLPI-Japan公式のOSS-DBのサイトに公開されています。(PDF)
以下、気になった違いを挙げてみます。
Silver
非構造化データ
JSONなど、非構造化データが出題されるようになるそうです。
時代に合わせて、PostgreSQLの機能も進化していますね。
レプリケーション
これまで、Goldの範囲だったレプリケーションに関して、基本的な問題がSilverでも出るようになります。ストリーミングレプリケーション、ロジカルレプリケーションの両方が出ます。
実運用でもよく使われる、レプリケーションは、Silver取得者にも知っておいてほしいということでしょうか。
レプリケーションとは何かについては、「LPI-Japan公式>OSS-DB>OSS-DB道場」の記事がわかりやすいです。ストリーミングレプリケーションは、オススメ!OSS-DB情報 「第10回 レプリケーションについて(その1)」、ロジカルレプリケーションは、PostgreSQLの新機能「第1回 ロジカルレプリケーション」がわかりやすいです。
Gold
外部データ連携FDW
Goldの出題範囲には、FDWが追加されるそうです。
FDWについては、PostgreSQL公式サイトLet’s PostgreSQLの記事の「外部データとの連携 ~FDWで様々なデータソースとつなぐ~」がわかりやすいです。
まとめ
2023年2月のOSS-DB Ver.3.0リリースにともない、新旧どちらのバージョンの試験を受けるか考えてみました。
私としては、受験可能な7月までは、対策しやすいVer.2.0での受験をお勧めします。取得後の資格の価値は古いバージョンでもそれほど変わらないと思います。
また、Ver.3.0では出題範囲が広がる分、難しくなるのではと懸念します。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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それでは。
コメント
一応補足させていただくと、2/8時点でGoldのVer.3.0に対応した教材が出ているようです。
https://oss-db.jp/learning
https://note.com/watary687/membership
そうなるとGoldに限った話なら1に関しては(さすがに5万円弱の教材は買う気がしないので)Ver.3.0に軍配が上がる気がしております。
情報ありがとうございます。
GoldはVer.3.0の認定教材がもう出たんですね。
Ver.2.0を受験したときはちょうどよい教材がなかったので、いいなあと思います。
Ver.3.0ならFDWの勉強もできますし、面倒なサイズ見積の問題もないので、GoldはVer.3.0もありかもしれませんね。